ほっとハウスが生まれるまで⑥
2026年08月17日
おそらく数回程度で終えるつもりの回顧録でしたが、気が付けば既に5話も綴ってしまいました。この後の出来事を思い起こせば、おそらく10話くらいまでは続いてしまうのではないかと思い、自分でも気が遠くなる思いです。
このブログに目を通されている数少ない閲覧者の方々も、いささか食傷気味ではないかと心配しておりますが、ここまで書いておいて中途半端に終わらせる訳には行かない気もします。そこで閲覧者0人でも構わないのでこのまま継続していきたいと思います。
前回はAさんから工事利益0円の工事を受注した所までお話ししました。
Aさんと取引のある地元の下請け業者さん方の協力によって実現した工事ですが、現場へ挨拶に行くと「おたくらも大変だろうけどねー、下請けの我々も大変だよー。Aさんの紹介でなかったら、こんな単価では請け負わないからねー。」と嫌味とも励ましとも取れる言葉を頂きました。
それでも私は「今回は本当に有難うございます。これを機に今後も長いお付き合いをさせて頂ける様、頑張りますのでどうぞ宜しくお願い致します!」と感謝の気持ちを伝えました。この時、今後この地で建築工事を継続するには、これらの方々の協力が絶対に必要になるだろうと確信していました。
果たしてその後も杵築市内で工事をする運びとなり、その際にはそれらの方々に必ず工事のお手伝いをして頂く事になりました。時には杵築周辺で戸建て住宅の建築を請け負う事もあり、そんな時にも欠かせない協力業者となっていました。現場監督からも地元の近くで動いてもらえる業者のほうが、小回りが利くので有難いと言って頂き、この様な人々とのつながりも財産だなぁとしみじみ思ったのでした。
これらの業者の方々とは最初に出会ってから既に30数年の時を経ましたので、その間に当然のごとく息子さんへと代替わりを果たしています。それでも未だに私はその方々との取り引きを継続しています。私の中には互いに苦労をしながらも、この地で共に頑張って来た同志の様な熱い思いが、今もなお心の奥底にある様な気がします。
さて利益0円の建築工事も順調に進んでいる中で、杵築市内では別の大きなプロジェクトも動いていました。
Aさんが市内中心部に近い場所に建つ工場を郊外へ移転して、その跡地に杵築市在住の歌手である南こうせつさんが大手企業向けの賃貸マンションを建設するという計画です。我々の利益0円工事と並行する形で、南こうせつさんの賃貸マンションの工事も別府市内の建設業者によって着々と進められていました。
この計画は当時の杵築市長と南こうせつさんがお話をする機会があった事に始まります。その際にこうせつさんが「杵築市民として、杵築の為に何か役立てる事をしたい。」と仰られ、それに対して杵築市長が「であれば、大手企業の進出が目覚ましい中で、杵築市にはそれらの社員さんを満足させる様な高品質の賃貸マンションが全くないので、それを建ててもらえないでしょうか?」とお願いされた事がきっかけです。
南こうせつさんが市長からのお願いに快諾して下さったので、その後市長はAさんにその話を持ち掛け、Aさんはちょうど郊外へ自社工場を移転する計画があった為、その跡地をこうせつさんにお譲りして計画を進めてもらう事になったそうです。
そして建築会社も既に決まり工事も進んではいたのですが、賃貸マンションとなれば当然、入居者の募集や入居後の管理をする業者が必要でした。その際にAさんが不動産会社としてこうせつさんに推して下さったのが、我が社でした。AさんとB株式会社との間で仲介業務は何度かさせて頂きましたが、まさか有名人の建てる物件の管理会社にまで推して下さるとは思いませんでしたので、正直びっくりしました。
Aさんの推奨という事で南こうせつさんも二つ返事で了解をして下さいましたので、一度御挨拶をする事になりました。こうせつさんと初めてお会いしたのは、賃貸マンションの建築工事現場で、現場事務所の中でした。最初に現場監督からこうせつさんへ現場の進捗状況の報告があり、その後私が「この物件の入居者募集とその後の管理をさせて頂く事となりました○○ハウスの松岡と申します。どうぞ宜しくお願い致します!」と挨拶を致しました。
こうせつさんは本当に気さくな方で、気取る様子も一切なく「あーそうなんだ。よろしく頼みますよ!」とにこやかに答えて下さいました。
この時の出会いから既に30数年が経過致しましたが、管理会社自体は変わりつつも、私がずっと担当者として、こうせつさんの賃貸マンションを管理し続けてきました。30年以上もこうせつさんとお付き合いがありますと、こうせつさんとの間にも様々なエピソードが生まれましたが、そこは御本人の許諾を得ておりませんので、残念ながらこの場では非公開とさせて頂きます。
それにしましてもAさんの推奨がなければ、こうせつさんとの出会いもありませんでしたし、これ程までの長いお付き合いも実現しなかった訳ですから、本当にAさんには感謝してもしきれない程の思いです。
