賃貸物件の紹介件数は地域最低?!
2025年03月30日
弊社で管理しています賃貸物件の総戸数は約120戸です。周辺の不動産屋さんに比べると、管理戸数自体はかなり少ないと思います。それ故、御紹介可能となる物件の数もおのずと最低の数になってしまうのですが、だからと言って管理戸数をこれ以上増やす事は全く考えていません。
不動産会社の経営セミナー等に行くと「とにかく管理戸数を増やせ。そうすれば毎月の管理料が増えて経営の安定化につながる。」と言われます。確かに極端な言い方をすれば、特に何もしなくてもアパートのオーナーからは毎月管理料が入って来るので、戸数が増えれば増えるほど長期安定収入が確保されます。
しかし現実には管理業務としては様々な業務があり、弊社では毎月の家賃集計とオーナーへの送金業務、水道検針・請求書発行業務、月2回の市報配布業務、そして入居者からのクレーム処理対応などをおこなっています。
それらを売買業務と並行して一人でこなすには、管理戸数120戸くらいが限界なのです。これ以上増やせば管理料は増えますが、クレーム対応が遅れて入居者の方に迷惑を掛ける事になるので、それだけはしたくないのです。
クレーム対応が足かせになるのであれば、その業務を外部委託すれば良いのではとの意見もあります。確かにそのシステムを導入している会社もあります。しかしその外部委託に掛かる費用を入居者の方に別途負担させているケースが多く、ノークレームの入居者にとりましては無駄な費用の負担となっています。クレーム処理を弊社が外部委託しない理由は他にもありますので、これはまた次の機会に話したいと思います。
管理戸数を増やして管理業務の品質が落ちれば入居者からの評判も落ち、それがクチコミによって入居率の低下につながる事もあると思います。そうなれば結果的にオーナーにも迷惑を掛ける事になります。
お陰様で弊社は現在対応可能な戸数に留めていますので、入居中のアフターフォローも問題なくこなせており、その成果もあってか物件の入居率は割と高く120戸中、空室は数戸のみとなっています。紹介可能な物件数が極端に少ないのはこれが理由ですが、こればっかりは仕方ないと正直諦めています。
管理戸数を増やさずに空室も少ないのなら、他社の管理物件を紹介すればいいじゃないかと思われる方も少なからずいらっしゃると思います。それが本来の不動産流通業であると言う方もいます。しかし私はそれを致しません。他社さんの物件で入居希望者の方に御紹介可能な物件があれば、直接そちらの会社へ行ってもらう事にしています。
管理会社であればその物件の情報を細やかにお客様へ伝える事が出来ますが、管理会社でなければそれ程深い情報をお客様へお伝えする事は困難です。プラスの情報が抜け落ちる事よりもマイナスの情報が抜け落ちる事の方が怖いのです。マイナスの情報を知らずに入居を決めてしまったお客様がいて、後日がっかりする様な事がありましたら、本当に申し訳が立ちません。
また入居後は管理会社に後の事を全てお任せする形になりますので、入居が決まったら手数料だけもらって「はい、さようなら。」となってしまう関係性も、何かむなしい感じがして気が進まないものです。